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M5Stackを用いてPICマイコンにスタンドアロンで書き込む
はじめに
PICkit3を使わずに、M5Stackを用いてPICのプログラムをスタンドアロンで書き込むシステムを制作しましたのでご紹介します。
用意するもの
制作に必要なものは下記の通りです。
- M5Stack BASIC
- PICマイコン。VPP電圧は、12V、9V、5Vに対応。ロジック電圧は、5V、3.3Vに対応。
- ガーバーファイル:PCBWayなどに、基板製造依頼してください。
- M5Stack用ユニバーサル基板キット3(共通部)を1つ
- M5Stack用ユニバーサル基板キット3(フレーム部)タイプ1Bを1つ
- 1x5ピン ピンソケット(メス・L型) SSW-105-02-G-S-RAを1つ
- スライドスイッチSS-14MDH2を1つ:12V、9V、5Vの切り替え
- 小型スライドスイッチ 1回路2接点 SS12D01G4を1つ:5V、3.3Vの切り替え
- MAX662 DIPモジュールを1つ:12Vの昇圧に用います
- 積層セラミックコンデンサー 0.22μF50V X7R 5mmを2つ:12Vの昇圧に用います
- 積層セラミックコンデンサー 4.7μF50V X7S 5mmを2つ:12Vの昇圧に用います
- MOSFET 2N7000を1つ:3.3V→12V,9V,5Vのレベル変換に用います
- 三端子レギュレーター 9V100mA HTC製 LM78L09を1つ:12Vから9Vをつくる
- 積層セラミックコンデンサー 0.1μF250V X7R 5mmピッチを1つ:12Vから9Vをつくる
- 積層セラミックコンデンサー 0.33μF50V X7R 5mmを1つ:12Vから9Vをつくる
- I2Cバス用レベル変換モジュール MM-9617を1つ:3.3V←→5Vのレベル変換に用います
- カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗) 1/6W1kΩを4つ:プルアップ抵抗
- カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗) 1/6W330Ωを3つ
- カーボン抵抗(炭素皮膜抵抗) 1/6W100Ωを1つ
▲ 開発当初はユニバーサル基板を使ったが、 写真の基板はPCBWayに発注した。 |
回路図
PICマイコンに書き込みを行うための回路は下図のようになります。
書き込みを行うのに「VDD」、「VSS(GND)」、「ISCPDAT」、「ISCPCLK」、「MCLR」という5つのピンを用います。 MCLRピンにPICマイコンの動作電圧より高い電圧(12V、9V、5V)の信号を与える必要があります。 また、ISCPDATピン、ISCPCLKピンとM5Stackの電圧が異なるため、レベル変換する必要があります。
1)M5Stackから出力される5Vを、12Vに変換する必要があります。そのために、MAX662 DIPモジュールを利用します。
2)12Vから9Vをつくるには、三端子レギュレーター LM78L09を利用します。
3)3.3V→12V,9V,5Vのレベル変換するのには、MOSFET 2N7000を利用します。
4)3.3V←→5Vのレベル変換するのには、I2Cバス用レベル変換モジュール MM-9617を利用します。
【ポイント】
色々なレベル変換モジュールをためしたが、どれを使っても高周波数信号の波形がなまる。 M5Stackは、配線容量が大きいのかもしれない。仕方がないので、書き込みに時間は掛かるが、周波数を落とすことにした。 手元にあるPICマイコンでは、書き込めているが、不安要素は残る。
書き込みを行うのに「VDD」、「VSS(GND)」、「ISCPDAT」、「ISCPCLK」、「MCLR」という5つのピンを用います。 MCLRピンにPICマイコンの動作電圧より高い電圧(12V、9V、5V)の信号を与える必要があります。 また、ISCPDATピン、ISCPCLKピンとM5Stackの電圧が異なるため、レベル変換する必要があります。
1)M5Stackから出力される5Vを、12Vに変換する必要があります。そのために、MAX662 DIPモジュールを利用します。
2)12Vから9Vをつくるには、三端子レギュレーター LM78L09を利用します。
3)3.3V→12V,9V,5Vのレベル変換するのには、MOSFET 2N7000を利用します。
4)3.3V←→5Vのレベル変換するのには、I2Cバス用レベル変換モジュール MM-9617を利用します。
【ポイント】
色々なレベル変換モジュールをためしたが、どれを使っても高周波数信号の波形がなまる。 M5Stackは、配線容量が大きいのかもしれない。仕方がないので、書き込みに時間は掛かるが、周波数を落とすことにした。 手元にあるPICマイコンでは、書き込めているが、不安要素は残る。
ソフトウェア
pickleという、Raspi(Linux)でPICの書き込みを行うプログラムがあります。
pickle
C言語で書かれていますので、これをM5Stack用に移植を試みます。本体は、ほぼ、そのまま使用し、INPUT側のインターフェースの部分とOUTPUT側のインターフェースの部分を書き換えます。 Arduino IDEで開発しました。プログラムコードを公開します。
もう一つ書き換えた箇所があります。それは、メモリです。元のプログラムは、Linux環境で豊富にヒープメモリが使えますが、マイコンの場合、限られています。 そこで、microSDに書き込むようにしました。
Program Source(2024.3.23更新)
【注意】
ライブラリとして、M5Stack_TreeViewとM5OnScreenKeyboardを利用してます。その影響として、ボードマネージャーは、esp32 Ver.1.0.4を使用して下さい。
pickle
C言語で書かれていますので、これをM5Stack用に移植を試みます。本体は、ほぼ、そのまま使用し、INPUT側のインターフェースの部分とOUTPUT側のインターフェースの部分を書き換えます。 Arduino IDEで開発しました。プログラムコードを公開します。
もう一つ書き換えた箇所があります。それは、メモリです。元のプログラムは、Linux環境で豊富にヒープメモリが使えますが、マイコンの場合、限られています。 そこで、microSDに書き込むようにしました。
Program Source(2024.3.23更新)
【注意】
ライブラリとして、M5Stack_TreeViewとM5OnScreenKeyboardを利用してます。その影響として、ボードマネージャーは、esp32 Ver.1.0.4を使用して下さい。
書き込み
最後に、書き込みを行います。
1)M5StackとPICマイコンを接続します。PIC書き込みアダプタを利用すると便利です。
2)HEXファイルをmicroSDに書き込み、それをM5Stackに挿入します。
3)M5Stackの画面とボタンで操作し書き込みます。使い方は、ここでは説明しません。公開したプログラムコードより読み取ってください。
下図のように、PCとUSB接続して、PCより操作して書き込みを行うこともできます。
Windows用EXEファイル(2023.10.7更新)
1)M5StackとPICマイコンを接続します。PIC書き込みアダプタを利用すると便利です。
2)HEXファイルをmicroSDに書き込み、それをM5Stackに挿入します。
3)M5Stackの画面とボタンで操作し書き込みます。使い方は、ここでは説明しません。公開したプログラムコードより読み取ってください。
下図のように、PCとUSB接続して、PCより操作して書き込みを行うこともできます。
Windows用EXEファイル(2023.10.7更新)
終わりに
以上です。この他にも、Seeed xiao RP2040を利用して書き込むシステムを制作したり、Raspberry Piを利用して書き込むシステムを制作したりしてます。